実物スケール ドイツ軍ヘッドフォン&スロートマイク
制作・写真・文章 燻(いぶり)
ついにやってきました『いぶりの森』新コーナー!
ゲテモノキットばかり制作していた『世にも奇妙な~』に続く、私の数ある趣味のうちのひとつ、1/1実物スケール収集・・・
初めはサバゲー用の装備をと思い、気軽に手を出したのが運の尽き。
気付けば立派な軍装コスプレイヤーに退化・・・いや、進化してしまいました。
ここ『1/1の純情な感情』では、そのタイトル通りに今手持ちのミリタリーグッズを紹介したいと思います。
記念すべき第1回のネタは・・・コチラ!
ドイツ軍の戦車兵を作ったことのある方なら見覚えがあるのではないでしょうか・・・
そう! 戦車兵たちが装備していたヘッドフォンとスロートマイクです!!
少し前に、こうしたドイツ軍のミリタリーグッズを鑑定、販売されている方とお話しする機会がありまして・・・
その折、以前にオークションにて購入したヘッドフォンの話で盛り上がり、私が当時スロートマイクを持っていないことを知ったその方が適価で譲ってくださいました・・・感涙・・・
『燻ログ』でいつかレビューしたいなぁと思いつつ、なかなか機会に恵まれず悶々としておりましたが、今回ここ新コーナー『1/1の純情な感情』にてレビューさせて頂きます!
ちなみにですが、写真に写っておりますヘッドフォンとスロートマイクは両方ともレプリカではなく実物です。我が家に届いた当初は「戦車兵のゴーストとか出てこねぇだろうな・・・」とマジビビリしてました。いや本当に。
・・・この『実物』というのが、この後判明する悲劇に繋がるのですが・・・それは後々の記事にて。
まずはあまりお目にかかれない方・・・スロートマイクから紹介したいと思います。
スロートマイクとは喉頭マイクとも呼ばれるもので、直接喉元にマイクを密着させ、声帯の振動をそのまま音声として拾うことのできるマイクです。
戦車の中の騒音や周囲の雑音をカットして声を伝えることができる・・・戦車兵の必須アイテムなのです。
正式名称は『タコホーン』と呼ぶそうですが、ここでは分かりやすさのためにスロートマイクという呼称を使わせて頂きます。
このスロートマイクが導入されるまでは普通の小型マイク(マイクロホン)を使用しており、雑音拾いまくり音聞こえなさすぎで作戦に支障をきたすことは必然でした。
ドイツ軍は第二次大戦初期から戦車に無線機を標準装備し、このスロートマイクを採用していました。一方のフランス軍は手旗信号・・・そら負けるわなぁ。
喉に密着するマイク部分のアップです。
ベークライト製なんでしょうか? 色はこげ茶色ですね。
マイク基部から伸びているコードの根元は頑丈なスプリングが仕込まれています。ちょっとやそっとの衝撃ではびくともしません。流石ドイツ製!
輪っか状のツル(ハンガーのこと)の部分は、金属板を黒い革で覆っているだけです。
70年以上前の物ですが、破れもなくしっかりとしています。やはり軍需品は丈夫なのですねぇ・・・
マイク基部の外側の写真です。マイナスネジで留めているようですね。
私にこのスロートマイクを譲ってくださったコレクターさんはこのマイクの修理部品も持っており、実際に使える状態で保持されておられるようでした・・・
い、一度でいいからこのマイクで「パンツァー・フォー!」って叫んで指揮してぇ!!
基部の色は、ややツヤのある黒。言い方が悪いですが、安っぽいプラスチック感というと伝わると思います。
1/35に限りますが戦車兵についてくるエッチングパーツ等のスロートマイクは平べったいものばかり。実物はかなりボリュームがあります。
『ホーネット』がリリースしている戦車兵ヘッドセットにモールドされたスロートマイクが、個人的に一番近いと感じます。
実際に装着してみると、結構喉を押さえつけられます。
それでも戦場ではクリアに音を拾えないのか、マイクを喉に押し付けている戦車兵を当時の写真で度々見かけました。
さて、次項ではマイクのスイッチ部とプラグ、コードを詳しく見ていきましょう。