高性能射出成形機 FE80S12ASE 日精 1/20
制作・写真・文章 燻(いぶり)
この『i-modellers』を呼んでくださっている方の大半は、おそらくプラモデルを作られた、もしくは触られたことがあると思います。
では、そのプラモデルがどうやって作られているか、皆さんはご存知でしょうか?
当然ですが、プラモデルも一種の工業製品。車とかのプラスチック部品と同じく、主に『成形機』と呼ばれる機械によって作られます。
一括りに『成形』するとは言え、その製法も複数ありますが、その中でも材料~製品までを自動的に加工し、成形する合理的で経済性に優れた製法が『射出成形』です。
その射出成形法でプラスチックを加工する機械を『射出成形機』と言いますが、その機械作られている『日精樹脂工業株式会社』が、何と! 自社製品の宣伝としてその機械を1/20サイズでプラモデル化しているのです!
こちらがパッケージです。おお・・・これが射出成形機か・・・
残念ながらこのキットは一般販売はされていません。メーカーさんの見学会に行った人や、企業展などで無料で配布しているキットだそうです。私はこのキットの存在を知り、八方探して入手しました。
探してみると、ヤフオクや中古店でたま~に見かけることがあります。値段は1,000円~10,000円とピンキリですが・・・
最近は、ファインモールドさんの『マシニングセンタ』や『フライス盤』といった工業機械のプラモデルが記憶に新しいですが、そのずっと前から、このメーカーさんはこんなプラモデルを作っていたのですね・・・いやはや、驚き。
ちなみに、前述しました『射出成形』の説明は、このパッケージに記載されている説明文を参考に書かせて頂きました。
すいません・・・入手時、箱が潰れちゃってて綺麗にスキャンできませんでした・・・
少し荒い画像ですが、パッケージ裏側にキットの取扱説明書が印刷されています。
取り付け位置等の関係で先に組んでおかなければならない部分がいくつかあるので、工程は色別され、順に番号が振られています。
キットはスナップキットで、一部可動します。
説明文を読むと、この射出成形機『FEシリーズ』は少し古い型らしいですね。
キット制作の為にこの型式をネットで検索すると、海外のメーカーさんが同型の成形機を使用している画像を発見しました。
パッケージの横には、先述の『射出成形』の仕組みについて描かれています。
『ホッパ』と呼ばれるチップ状の小さなプラスチックを漏斗の中に入れると、シリンダの内側で加熱、スクリュで混ぜられドロドロに融けた状態になります。
スクリュの先を金型に接続し、融けたプラスチック材料を強烈な圧力をかけながら射出します。金型の中で冷却されたプラスチックはそのまま固まり、金型が外れるとポロッと製品として排出されるのです。
プラモデルを『インジェクション(射出)・キット』と呼ぶのは、ここから来ているんですね。
ちなみに私は昨年の静岡ホビーショーの帰り、タミヤの本社にてこの工程の実演を見ました。毎年やっているようなので、必見ですよ!
では、次のページからキットの制作に取り掛かります。