i-modellers 創刊号 Diana ブロンコ 1/35

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砂漠のラット・ハンター BRONCO "diana" 1/35

制作・写真・文章 moppu

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ブロンコ 5t'Diana' 1/35ブロンコ 5t'Diana' 1/35 長い間インジェクションキットでは不在が嘆かれていた5tハーフトラックがようやくブロンコからキット化されました。レジンキットではAzimutからキットが出ていたようです。ソ連製76.2mm砲を搭載するためキャビンを改造した通称「Diana」ですが、まずは5tハーフトラックが誕生したことを喜びたいと思います。これまでのブロンコの商品展開から考えてもこの後兵員輸送型(牽引型)やら3.7cmFlak搭載タイプやらがラインナップに加わる日も遠くないだろうと期待します。
 実車はキャビンを撤去した荷台にソ連から鹵獲した7.62cmFK36(r)またはFK236(r)砲(後期型は7.62cmPak36(r)という説があります)を搭載し、周囲を鉄板で囲んだ急造風の車体ですが、前期後期の別があったようで、キットはおそらくは前期型を再現しており、全長6.10m、全幅2.22m、全高3.05m、重量10,150kgはビューシンクNAG製の車体に5mm厚の鉄板による改装はアルケットで行われたようです。
http://www.achtungpanzer.com/762cm-fk-296r-auf-5t-zugkraftwagen-sdkfz6.htm・「ジャーマンタンクス」、ピクトリアル「ドイツ軍ハーフトラック」など参照他)



101diana8009s.jpg101diana8009s.jpg 車内はどうやら7.62cm砲の砲架を切り詰めて車輪付きで搭載されているようだ、というところまでは推測されていましたが、今回キットはうわさどおりの(?)再現となっています。
 ソ連製7.62cmFK36(r)は7.62cmFK296(r)とも呼称され、対ソ戦初期に多数が鹵獲された7.62cm野砲のうちでもM1936のタイプが主に当時有効な対戦車砲を88mmFlakシリーズ以外に持たなかったドイツ軍によって使用されました。一部は後に大幅な改造を受け、対戦車砲としてPak36(r)の正式名称を与えられましたが、それらは42年になってからのことで42年半ばにPak40が第一線に配備されるまでのつなぎとして、各種車台に搭載されたのは有名ですね。Pak36(r)のデータとして重量は1,730kg、初速は550m/s、有効射程9,000m、とありますので、5tの牽引車両に対する砲弾、クルーを含めた搭載容量は十分だったものと思われます(搭載弾数は64発から100発)。
 キットは正しく7.62cmFK36(r)と記載されているのが好感の持てるところですが、残念ながら筆者は7.62cm野砲の資料を持ち合わせていませんで、キットの砲の詳細が正しいかどうかまでは不明です。ともあれ、i-modellers創刊号の特集テーマにふさわしく、救国のロシアからの贈り物、砂漠のねずみたちを狩った北の国からのハンターの姿をお楽しみください。
 キットはとてもきれいなインストにハーフトラックのパーツ、7.62cm砲のパーツがどっさり…、大きめの箱にゆったりと収められていますが、もう一回り小さな箱でも十分ですね。 モールドもきれいですっきりとした印象のランナーが並びます。エッチングパーツ、フロントウィンドウやライトレンズなどの透明パーツ、好きな登録番号を選ぶことのできるライセンスナンバーのデカールが含まれています。



102diana8012s.jpg102diana8012s.jpg103diana8017s.jpg103diana8017s.jpgインストのパーツ一覧、一部牽引タイプの7.62cm砲のパーツが余分になる他は余剰パーツもあまり生じません。

組立の指示もきれいな線画で記載されており、日本語の表記が一切ないことを除けば不満のない内容だと思います。
塗装図はカラーで迷彩塗装のものとダークイエロー単色のもの2種類が掲載されています。

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ブロンコ 5t'Diana' 1/35ブロンコ 5t'Diana' 1/35 組立は一体のシャシーにエンジン、サスペンション周り、ギアボックス、燃料タンクなどを取り付けるところから始めました。驚いたのは写真のギアボックスのパーツ、これ、2分割なのですが、写真左の大きなパーツはなんとこれで一体抜きなのです、すごいですね。

202diana8161s.jpg202diana8161s.jpg このキットで一番うれしい驚きだったのは履帯です。
ランナーにモールドされた普通の組立式(可動)ですが、ご覧のようなきれいなモールドであることに加えて履帯の形状を再現するためのパーツ分割が今までには見なかったものになっています。
従来ドイツのハーフトラックの履帯は履板にゴム製のパッド部分のパーツを接着することでつなげ、固定していたのですが、このキットの履帯はゴムパッド部分から両側に髭のように出ている部分があるのですね、実車の履板はこうなっていたのでしょうか、なんにしても初めて見る分割です。

203diana8166s.jpg203diana8166s.jpg

 主役である7.62cm砲はスライド金型で抜かれた砲身に揺架、合いもよく、決して多くはないパーツ数ですが、かちっと組みあがります。
砲のキットは実はこの部分がいい加減なものが少なくないのですが、これは優秀ですね。
204diana8171s.jpg204diana8171s.jpg
 砲身を揺架に載せて、補機類を取り付けていきます。
アルミの砲身でなくてもなかなかシャープです。

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