i-modellers 2号 タイガー1中期型 タミヤ 1/35

もう一人のタイガーエース
  タイガー1中期型 オットーカリウス搭乗車 タミヤ 1/35

photo_114 (2).jpgphoto_114 (2).jpgphoto_115.jpgphoto_115.jpg前置きが長くなりました。さっそく作業に入りましょう。まず、各ホイールをすべて組み立てておきましょう。これをしておかないと何も始まりません。転輪や誘導輪のゲート痕の処理は、切り出したときはそのままにして先にゲート部の位置を揃えて貼り合わせます(Figure.97・青丸)。そして乾燥後に処理すればラクにできます。パーティングラインは目立たないようにホイール外周のカドにありますので、面倒なら処理はしなくてもよいでしょう。

それから、誘導輪の軸には少し加工をしておきます。
photo_116.jpgphoto_116.jpgphoto_117.jpgphoto_117.jpg誘導輪を軸に接着し、半月状の車体差し込み部を矢印のように少し切り欠きます。これによって誘導輪には左右ができますので、取り付ける際には注意しましょう(Figure.98)。

加工前の軸の位置です(Figure.99)。この位置で固定されます。

加工後はこの位置まで軸が回るようになり、誘導輪の位置が可変になりました(Figure.100)。

photo_118.jpgphoto_118.jpgこれによって実車同様にキャタピラの張り調整ができるようになり、キャタピラを組み付けた時の垂れ下り具合が調整可能になるわけです。
あとでキャタピラの枚数の足し引きだけではいい具合にならない場合に役立ちます。

キャタピラの部品は2種類あります。勢いで一緒に切り出さないように注意しましょう。ランナーのスミに付いているのは砲塔に付ける予備キャタピラで、取り付けのためのピンがあります(Figure.101・矢印)。部品番号「2」の刻印がありますね。



ここからは私なりのやり方ですので、説明図の指示とは異なります。作り方の一例として参考にしてください。塗装の際は、キャタピラ・各ホイールともすべて取り外すやり方です。
photo_119.jpgphoto_119.jpgphoto_120.jpgphoto_120.jpgL字断面のアルミのアングル材を用意し、マスキングテープを裏返して(粘着面を上にして)貼り付けます(Figure.102)。部品を指定数(片側100枚)だけ切り出したら、アングルに沿ってテープの上に並べていきます。このとき接着剤は付けません。

接着にはリモネン系の流し込み接着剤(Figure.103)の使用がお勧めです。通常の溶剤系接着剤に比べて乾燥が遅いので、余裕を持って作業できます。これを、細筆で部品のつなぎ目に流していきます。くれぐれも流しすぎに注意しましょう。その後、少なくとも40分は乾燥させてください。慣れないうちはなんだかカチカチに固まってしまいそうで心配になり、待ち切れずに巻こうとするとちぎれて失敗します。1時間ぐらい乾燥させても大丈夫ですので、とにかく慌てないことが大事です。


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乾燥待ちの間に、キャタピラを巻く準備をします。
photo_121.jpgphoto_121.jpgphoto_122.jpgphoto_122.jpg最も内側の転輪B8は接着してしまいます(Figure.104)。この影になる内側の車体は塗装の際に塗料が届かず塗り残しになりますが、これから外側にたくさんの転輪が付いた後はまったく見えなくなるので、気にする必要はありません。もし見えないところでも塗り残すのがイヤな場合は、先に塗っておくか接着しないでおきます。

続いて、次の列の転輪と起動輪・誘導輪を取りつけます(Figure.105)。誘導輪には左右があります(前述)ので間違えないようにします。これらは接着せずに差し込んでおくだけです。ただ、後でキャタピラを巻いていくときにホイールが外れて(特に誘導輪)イライラすることもあるので、ピットマルチ等で仮止めしておいてもいいでしょう。
photo_123.jpgphoto_123.jpgphoto_124.jpgphoto_124.jpgさて、時間が経ってキャタピラが十分に固まってきましたので、いよいよ取りつけます。
ちぎれないように注意しながらテープから剥がし、ひっくり返して転輪の上側に後ろから差し込んでいきます(Figure.106)。

先端は起動輪に少し巻きつけます。残り半分を下からくぐらせて前へ回し、起動輪で繋ぎます。起動輪の歯に引っかけることで繋ぎ目が外れにくく、作業がラクです(Figure.107)。誘導輪は後方へ引いておきます。この時点ではベルト式と同じような状態で不自然です。ここから自然な状態にカタチを付けていきます。これが醍醐味ですよ。
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理想のラインは赤線のような感じになります(Figure.108)。ここで重要なのは「起動輪との離れ際」です。
この状態では起動輪の一番上からキャタピラが離れていっています。そのためキャタピラが浮き上がって見え、重量感がまるでありません。実際にはもっと後ろまで起動輪と接していて、矢印のあたりが離れ際になります。ここを上からしっかり押さえて起動輪に密着させます。そこから後ろは「下に凸」になるようにゆるやかに曲げます。誘導輪側も同様です(Figure.109)。
photo_127.jpgphoto_127.jpg
カタチ付けが満足できたら、外れてしまわないようにテープで留めておきます(Figure.110)。
よく車体との隙間にティッシュを詰めたりしますが、何もしなくても大丈夫です。特に、キャタピラが浮いている区間(起動輪から二つめの転輪のあたりまで)には詰め物は禁物です。押さえつけると、かえってラインが不自然になってしまいます。








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