i-modellers 2号 タイガー1中期型 タミヤ 1/35

もう一人のタイガーエース
  タイガー1中期型 オットーカリウス搭乗車 タミヤ 1/35

(2)フィルター塗装
フィルターとは、薄い色の層をのせて色味を加える効果のことです。そのために、溶剤で薄く希釈した塗料を、模型を「染める」ような気持ちで全体に塗っていきます。すなわち「ウォッシング技法」ですね。
「ウォッシング」という言葉は古くから使われていて、「黒やこげ茶色のような暗い色を溶剤でうんと薄めて塗り、乾いたら拭き取る」という技法として定着しています。そこへ「フィルタリング」という技法がやってきて、「ウォッシングとフィルタリングはどう違うの?」という混乱が生じたのではないでしょうか。ちなみに私がその一人です。
今までのウォッシングという言葉は、色(効果)と技法の両方を指定されていたわけです。そのため、「黒やこげ茶色以外を使うのがフィルタリング」とか「ザブザブ塗らないのがフィルタリング」みたいに解釈が分かれて、わけがわからなくなったのだと思います。
そこで私は、フィルター塗装(フィルタリング)とは「ウォッシングという技法でフィルターという効果をかけること」だと解釈することにしました。要するに、使う色は何でもいいのです。こう考えると、すべてが明快になりませんか。つまり、従来の「ウォッシング」もこげ茶色のフィルター塗装なんです。よって、ここではウォッシングという言葉は用いません。
また、塗った後の拭き取りはせず、塗りっぱなしです。塗料に浸ってしまったら、筆で吸い取ります。
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まず、ブラウン系の色を作ります(Figure.153)。
X9は控えめにして、赤くなりすぎないように調子を見ながら加えます。
これをエナメル溶剤やペトロールで希釈して塗ります。

少し薄汚れた感じになりました。これを満足するまで繰り返します。


photo_179.jpgphoto_179.jpgphoto_180.jpgphoto_180.jpg次にイエローオーカー系を作ります(Figure.155)。前の色が完全に乾いてから行いますが、クリヤーでコートしてもよいですし、そのまま塗ってもかまいません。今回はコートせずに塗り重ねています。

少し色味が加わったのが分かるでしょうか(Figure.156)。また、前に塗った色が溶けて流れていますので、気になるようなら修正します。


photo_181.jpgphoto_181.jpgphoto_182.jpgphoto_182.jpg最後にアイボリー系を作ります(Figure.157)。白系は隠ぺい力が強いのでかなり薄めに塗り、乾かして効果を見ながらやります。ツヤが消えて効果が分かりにくい場合はクリヤーを軽く吹きます。

これで終了です(Figure.158)。ほかにもグレイなどを加えるともっと深みが出ますが、効果の程度や色の選び方に決まりはなく、紹介した色もあくまで1例です。また、油絵具等を使えばさらに表現の幅が広がります。油絵具を点々と置いて溶剤で伸ばす技法もフィルター塗装の1種といえるでしょう。

フィルタ-塗装は、モデラーの自由な発想と工夫で行える、とても楽しい塗装作業なのです。
ここで、保護のためにクリヤーを吹いておきました。

次回で仕上げ塗装の続きと最終組み立てをして、いよいよ完成です。

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≪STEP.10~完成≫

ここで、先にキャタピラを取りつけてしまうことにしました。もちろん、仕上げ塗装工程をすべて済ませてからでも構いません。
キャタピラは組み付ける前にウェザリングをしておきます。まず、接地面にクレオス・メタルカラーのアイアンを塗ります。その後、タミヤ・エナメルのXF10フラットブラウンでスミ入れしておきます。
photo_183.jpgphoto_183.jpgphoto_184.jpgphoto_184.jpg次にパステルを使ったホコリ表現です。クレオスのウェザリングパステル(Figure.159)を使い、今回は軽い表現にとどめました。各色はそのままではちょっと使いにくいので、適度に混ぜて使います。そして、アクリル溶剤で溶いて凹部に流します。

最後に、接地面とセンターガイドの先にシルバーでドライブラシをかけて終了です(Figure.160)。また、車体奥の見える部分もパステルで軽く汚しておくとよいでしょう。
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キャタピラは、まず起動輪・誘導輪・2列目1番前の転輪をキャタピラにはめ込み、誘導輪から取りつけます(Figure.161)。

残る2列目の転輪は、軸に差してからキャタピラを広げてやれば簡単に収まります(Figure.162)。

これで足回りの組み付けは終了です(Figure.163)。




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