もう一人のタイガーエース
タイガー1中期型 オットーカリウス搭乗車 タミヤ 1/35
残っている装備品をそれぞれ塗装し、車体に取り付けたところです(Figure.164)。
金属部はあらかじめダークアースやマホガニー等で下塗りをしておきます。各ワイヤーロープには、タミヤ・アクリルのX10ガンメタル+XF63ジャーマングレイ+XF10フラットブラウンで作った色を塗り、次にタミヤ・エナメルでサビ色を作ってスミ入れの要領でロープの編み目に流します。また、スコップ等の工具は、金属部は先ほどの色に黒を混ぜて塗り、木部はXF78木甲板色です。ただ、組み付けると車体色に埋もれてしまったので、茶色を薄く塗り重ねました(Figure.165)。
排気管はまずワイヤーロープと同じ手順で塗装し、強めのサビ色をウォッシングの要領で何度も重ねて焼けた感じと煤けた感じを表現します。ワイヤーロープは、取り付けの際に後ろのほうが浮いてしまいます(Figure.166・矢印部)ので、できるだけ車体に沿うように瞬間接着剤等で固定します。
予備キャタピラは、押し出しピン痕をパテで埋めて処理した後(写真の状態ではまだ不十分ですね)、18ページのキャタピラと同じ手順で缶スプレー塗装します(Figure.167)。グレイを少し強めに効かして、走行用と差別化します。その後、やはりサビ色を全体に薄く塗ります。
仕上げ塗装(3)チッピング
今回は使用感のほとんどない、大変キレイな戦車になったので、チッピングを入れすぎると違和感が出てしまいます。そこで、金属色のチップはやめて、かなり明るい基本色を作り、乗員の手足がすれそうな箇所に細筆でチョンチョンと描き込んでみました(Figure.168)。ハイライト表現も兼ねていますので、ドライブラシでも同じ効果が出ると思います。
金属色を使ったチッピングは大変強い印象を与えますので、やりすぎは禁物です。雑誌等の作例写真でハゲハゲになった作品が出ていたりしますが、あれは作例として分かりやすいように過剰に入れていると思ったほうがよいと思います。特に、模型全体に均等に描き込むのは最悪です。出っ張ったところや擦れそうなところをよく考えて「程よい集中と分散」を意識して施しましょう。
(4)汚し塗装については、今回は足回りにわずかに施しただけであとは省略しました。理由はチッピングと同様りです。スミ入れとフィルター塗装だけでもじゅうぶんな仕上がりだと判断しました。
これで制作はすべて終了しました。あとはベースに固定するだけです。
ただし、ベース裏からビスを突っ込んでいきなりグイグイ締めてはいけませんよ。相手(模型)はただのプラスチックですから、変形していくらでも締まってしまい、固定できません。そこで、ちゃんとスペーサー作って締め込むようにしましょう。
まず、車高を測ります(Figure.169)。
それに合わせて、プラパイプや金属パイプを切り出します(Figure.170)。プラのほうが作業がラクですが、力いっぱい締めると割れますので注意してください。
ビスを通すとこんな感じ(Figure.171)。この上に模型を置いてみて、足が浮くようであれば削って短くし、逆に模型との間に隙間ができていればワッシャーをはさんで調整します。そして、ビスでしっかり留めて固定します。
さあ、いよいよ完成です(Figure.172)。
フィギュア制作については割愛しました。どうかご容赦ください。