バストーニュへ~ドイツ最後の反撃を阻止せよ 1944 アルデンヌ
M4A3シャーマン 105mm榴弾砲搭載型 MM251 タミヤ 1/35
制作・写真・文章 根生
タミヤのMMシリーズのキットをそのまま使ってジオラマを作るという企画、私にとってはジオラマ作りはたいていこの方法(タミヤとは限りませんが・・・)ですから特に目新しいことでは無く、いつもやっていることなんですね。タミヤのMMシリーズのキットは車輌に数体のフィギュアが組み合わされたキットも多く、それらはキットだけでこの箱絵のように一つの物語のシーンとして成立しています。しかもカッコいい・・・
さて、この企画が決まったのが静岡ホビーショーのチョイ前です。タミヤを買うならタミヤ本社が解放されるオープンハウスですよね。地下の売り場に積まれたプラモはみんな半額!!ここでお題のキットを物色してきました。
選んだのはこのM4A3シャーマン105mm榴弾砲搭載型のキットです。シリーズのナンバーは251ですから特別新しいわけでも無く、古くも無くといったところでしょうか。冬期迷彩のシャーマンに冬服のアメリカ兵、カッコいいですね。
アメリカ軍がヨーロッパ戦線(イタリアを除く)に参戦したのは1944年6月のノルマンディ上陸からですから、このような冬装束をしていたのは1944年の年末から翌年の春先にかけてのワンシーズンだけです。こんな風に冬装束のアメリカ軍を再現するだけでも自分でキットを選択するとなると車輌もフィギュアもなかなか考証が大変ですが、今回のようにセットを使用すればあまり深く考えなくても大丈夫なので、私のような考証苦手モデラー向けですよね(笑)。
さて、1944年から翌年にかけての冬と言えばアレですよ、アレ。そう映画『バルジ大作戦』で有名なアルデンヌの戦い、ドイツでは『ラインの守り作戦』ですね。
ドイツ本土を目前にして伸びきった補給路を確保するために連合軍は1944年に『マーケットガーデン作戦』を行うが、大失敗(こちらは映画『遠すぎた橋』ですね)。その後戦線は膠着します。ヒトラーはその機に乗じて最新鋭のキングタイガー戦車を大量に投入し、アルデンヌの森を一気に駆け抜けベルギーまで進撃し、連合軍を分断し戦局を一気にひっくり返そうと考えました。
最初ドイツ軍は猛進撃をするのですが、兵器は最新鋭でも兵士達の練度が低く、さらに燃料不足は決定的で、作戦の当初から連合軍の燃料を奪って進軍するという不安定な計画だったため、結局動けなくなった戦車を放棄して逃げ帰るという結果に終わってしまいます。
ベルギーの町バストーニュの101空挺師団は強力なドイツ軍に包囲され、孤立します。しかしドイツ軍の降伏勧告を跳ね返しひたすら堪え忍びます。そしてついにパットン将軍率いる救援部隊がドイツ軍の包囲網を破りバストーニュを解放しました。
今回はそんな情景を思い浮かべながら制作します。でも、付属のデカールの第6機甲師団第69戦車大隊ってのはその救出部隊なんでしょうか・・・考証は苦手です(+_+)\バキッ!
この写真はキットのパッケージの横に印刷されているジオラマの作例です。写真には注意書きとして「情景ベースはキットに含まれません」とありますが、逆に言えば情景ベース以外は全てキットに含まれるということです。
このようにキットには装備品のランナーが複数付属しています。アメリカ軍の戦車と言えば荷物満載で進軍する姿が象徴的ですが、満載とまではいかないまでも、それらしい姿をキットの内容物だけで再現できるのです。
まぁ、緊迫した雰囲気の歩兵達にくらべて、戦車兵のフィギュアの緊張感の無さはチョット・・・ですが、それはまぁ、あとから考えることとしましょう。それにしてもこの作例、箱絵のまんまですよね。カッコイイ~♪