ベンガジへ~砂漠機動戦の立役者たち 1941 北アフリカ
Sd.Kfz.222 北アフリカ戦線 MM286 タミヤ 1/35
制作・写真・文章 Bluebell
プロローグ
久々に寄稿させていただきます、Bluebellです。
2号の記事では、薄く長い制作記になってしまったにもかかわらず、想像以上に多くの支持をいただき、ありがとうございました。
今回の特集の企画は私でして、とにかく昨今の「考証がなければ始まらない」情景作品作りに疑問を持っておりました。私もどちらかというと「アタマでっかち」なほうですので、やり方が分からないと手が動かないのです。
最近は、単品作品ですら「ココが違う、アソコが抜けている」と言って資料と首っ引きになりがちで、それが情景となると「○○戦線ではこの軍服」だの「△△の時期にはこの装備」だの、ウルサイんですよ。「私はなにも歴史資料館に展示する模型が作りたいわけじゃないんだ!!」と毒づきたくなります。
でも、やはり情景作品は作ってみたい…。そこで、タミヤの「情景定食」とでもいうべき製品を使って、考証はキットに任せて純粋に情景制作だけに専念してみませんか、と提案したいわけです。
私事で恐縮ですが、現在私はプラモデル屋の店主となりました。すると、いらっしゃるお客さんの多くは「今の模型作りは難しくてワケ分からん」とおっしゃいます。結局、私のような思いは多くの方が持っておられたんですね。
今回のキットは、『Sd.kfz.222 北アフリカ戦線』です。
ロングセラーである装甲車の名キットに、オートバイと専用フィギュアがセットされています。
今回も、組み立ては基本的にストレート組みで、キットの塗装はエアブラシを使わずに行います。ベースの吹き付け塗装だけはエアブラシを使うかもわかりませんが、できれば使わないでやりたいと考えています。また、前回のタイガー1のような組み立てる上での見せ場はないので、今回はあっさりと行きたいと思います。それでは、よろしくお付き合いください。
キットの内容は、既存の「Sd.kfz.222」のキットに、オートバイ、専用のフィギュアとデカール、アクセサリー類、金属パーツを加えたものです。(写真左)
金属パーツにはエッチングパーツと金属製砲身が含まれていますが、上箱に糊付けされていて見落としやすいので注意しましょう。(写真右)
STEP.1~組み立て
では、さっそく制作に入りましょう。
車体底の梁「C8」「C11」は、クッキリとパーティングラインがあります(Figure.1 赤線部)。
完成後はほとんど見えなくなるとは思いますが、前後の端のほうは見えてしまいそうですし(Figure.2)、やはりこれぐらいはキチッと消しておきましょう。
部品の接合面は、少し鋭角に削ってやると、接着時に隙間が目立ちにくくなります(Figure.3)。