ベンガジへ~砂漠機動戦の立役者たち 1941 北アフリカ
Sd.Kfz.222 北アフリカ戦線 MM286 タミヤ 1/35
≪STEP.5~仕上げ塗装とウェザリング≫
デカールが乾燥したら、保護のためにラッカーのクリアを吹きつけておきます。クリアは、後の工程をやりやすくするために、ツヤありか半ツヤを使いましょう。
まずタミヤAS22ダークアースを車体下部に遠目から軽く吹きつけて、うっすらと汚れをつけておきました(写真はうまく撮れていなかったので割愛します)。
仕上げ塗装はスミ入れから始めます(Figure.45)。なお、この工程の詳細な要領については、バックナンバー2号の拙作≪STEP.9≫を参考にしてください。バックナンバーを本棚の中から探し出さなくてもすぐ読めるのは、何といってもウェブマガジンの強みですね。
続いてフィルター塗装をします(Figure.46)。タイガー1と同様に、3回に分けて行いました。
タイガー1ではウェザリングをしなかったのでここで終了しましたが、今回は情景作品ですのでそういうわけにはいきません。そこで、オーソドックスなやり方でウェザリングを施していきます。
この車両には、本来ジャーマングレイで塗装されたうえから現地でサンド色を塗り重ねたものもあったとのことです。そこで今回は、チッピング技法を使って、サンド色が剥がれて下地のグレイが露出した様子も再現してみることにします。
チッピングは、角を中心に施します。この車両は、平面をつなぎ合わせた多面体のような形をしていて、チッピングの練習にはもってこいですね。
何となく全体に均等に施すのではなく、メリハリをつけましょう。やり始めると止まらなくなり、付けたチッピングの隙間をチッピングで埋めるようになりがちで、そうすると均等に散りばめられてしまい、ウソっぽくなりますよ。
まずは下地のグレイが見えている様子を再現するので、タミヤ・エナメルのグレイ(筆者はXF24ダークグレイを使用)で「ちょっとやり過ぎかな」というぐらいに描き込みます(Figure.47)。面の部分は軽くドライブラシで。ほかにスポンジを使って行う方法もあって、なかなか手軽で効果的です。ただし、言ってみればスタンプのようなものなので、スポンジの同じ部分ばかりを使ってやっていると「不規則な1パターンが規則的・連続的に付いてしまう」ことになります。ですので、塗料をつける面をどんどん換えながら作業してください。ちなみに、筆者は筆が最もコントロールしやすいので、すべて筆で行っています。
側面には引っ掻いたような筋傷を描き込みます。このとき、フリーハンドで描くとミミズが這ったような跡になりがちです。写真のように適度な高さの「枕」を使うとラクに描けます(Figure.48)。
こうして、グレイのチッピングが終了です(Figure.49)。
砲塔上面やハッチなど、人が座ったり持ったりしそうなところは集中的にに塗ってみました(Figure.50)。