i-modellers 5号 運命の翼~1943年4月18日「海軍甲事件」

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運命の翼~1943年4月18日「海軍甲事件」
  三菱 一式陸上攻撃機 タミヤ 1/48

制作・写真・文章 カレー屋

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特集が太平洋航空戦と言う事で、海軍甲事件で山本五十六長官が搭乗していた一式陸攻を作ろうと思います。
海軍甲事件では山本長官の乗る一式陸攻はP-38 16機にまちぶせ攻撃に遭い撃墜されてしまいます。この海軍甲事件には異説が色々あり、山本長官がスパイだったとか、山本長官に小口径弾の跡があったことから、実は不時着した時生きていて自殺したのではないかとか(P-38は12.7mmと20mm装備)あります。
このように色々な話が出てくるのは山本五十六がすごく人気があり、人間的に魅力のある人だからではないでしょうか。

さてこの一式陸攻ですが、96式陸攻の後継機で開発当時同じレベルの攻撃機で世界最高水準の高性能と言われました。しかしこの高性能は防弾性能をまるっきり無視したおかげでの性能なので、ちゃんと防弾装備すると最高性能と言うのも怪しいものです。一番やっかいなのがインテグラルタンクと言う翼に燃料タンク装備しており、そこの防弾もおざなりにして小口径弾でも翼に当たるとすぐ火を吹くので「ワンショットライター」と連合軍のパイロットに言われる始末。大戦中にはインテグラルタンクをゴムで覆いますが気休めにもならず、出撃した一式陸攻全機未帰還と言う話はよくあった話のようです。

そもそもなぜ旅客にしか使えないようなインテグラルタンクを装備したかと言えば、ロンドン軍縮会議で英米に比べ艦艇保有数を6割にさせてしまったので、じゃあ補うのは航空機だと言う事となり、この辺りはすごく先見の明があり素晴らしいと思うのですが、渡洋攻撃するためすごく長い航続距離を求められたのでインテグラルタンクにするしかなく、96式陸攻で試されました。確かに中国への渡洋攻撃をしましたが、中国軍の7.7mm数発で火を吹く事がわかったにもかかわらず、海軍は時期陸攻の開発要望に防弾という言葉は入らなかったそうです。この辺りは海軍の軍人さんも上の方は官僚のようでお役所仕事になっていて現場の意見はあまり通らず、机の上で戦争していたのでしょうね。今の日本もちっとも変っていませんね。
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そんな悲劇の航空機でもある一式陸攻ですが、最初で最後の大活躍した戦場はマレー沖海戦で英軍のプリンスオブウェールズとレパルス撃沈した戦いでしょう。敵に上空援護の航空機がいなかったのも幸いして陸攻だけで大戦果でした。それで海軍上層部が慢心してしまったかもしれませんが、その当時は航空機だけで戦艦沈めたと世界中が驚いたのです。その当時の搭乗員は錬度が高くマニュアルでは海面から20メートルの高さで飛んで距離1000メートルで雷撃だったそうですが、対空砲火が怖くてプロペラが波をたたくぐらい高度下げていたそうです。

その後やられメカになってしまった一式陸攻ですが、海軍甲事件時の山本五十六長官が搭乗していた、ラバウル基地705航空隊323号機を作りたいと思います。どうぞお付き合い頂けたら幸いです。(参考文献 文林堂 世界の傑作機No.59一式陸上攻撃機)

キットの中身ですが、1/48の双発機なのでパーツ一個、一個がでかいです。しかしさすがタミヤ部品点数少なくまとめられています。


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まずは飛行機プラモデルのお約束コックピットから制作します。(写真上左)

今回はパイロットのおっさんたちは乗りません。したがってシートベルトは鉛板でそれっぽく作りました。(写真上)

コックピット塗り分けしました。(写真左)

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