i-modellers M88A1戦車回収車

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IDF M88A1戦車回収車 with additional bar armour

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M88はアメリカ軍が開発したM48戦車をベースとした戦車回収車です。1959年に正式に採用されて以来、世界各国で使用されています。イスラエル軍(以下IDF)もM60シリーズと同時期にM88A1(ディーゼルエンジンを搭載した形式)を導入していると思われるので40年ほど使っていると思われます。IDFは実戦からの教訓から自軍の兵器をどんどん改良していきます。このM88A1も長い間あまり形態を変えなかったようですが、近年RPGシリーズやその他携帯用対戦車兵器の対策のためにBar Armour(バーアーマー)と呼ばれる柵状の追加装甲を装備するようになりました。またキューポラ相当部にDog house(ドッグハウス)と呼ばれる上部構造を装備し、視認性の向上を図っておりその外見はオリジナルのM88A1とは思えないくらい禍々しく変化しています。今回AFVクラブのM88A1を用いてこの車両を再現することとしました。

<AFVクラブのM88A1>

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このキットはM88の特異な形態をとても上手に再現していると思います。細部も繊細に表現されていて、メーカーのこのキットにかける意気込みが感じられます。あまり模型誌などでは取り上げられませんが、名作といえるでしょう。
組み立ての注意としては複雑な車体後部の排気口あたりが多くの部品を使って再現されているのでゆがまないように丁寧な部品のすりあわせや仮組みを行っておくとよいと思います。
また細かいパーツのランナーからの連結部が太いので切り出すときに破損してしまう恐れがあります。くれぐれもパーツの切り出しは慎重に行ってください。特に気をつけなければいけないのが複雑な形態のライトガードです。私は破損してしまい真鍮の帯板で作り直す羽目になってしまいました。本キットは最小限度のエッチングパーツが効果的に用いられているのですが、できればライトガードを入れて欲しいところです。それ以外は割とストレスなく組み立てられます。キャタピラはベルト式ですが、パターンが初期型のもので、IDFに用いられているのは後期型と呼ばれるものが多いため同社のM60/M48用連結式後期型キャタピラを用いました。キットの起動輪とも大変相性がよいです。

<IDF M88A1 with additional bar armor >

IDFのM88A1の主な特徴を以下に記します。

  1. 車体周囲のバーアーマー
  2. 車体上部のドッグハウスおよびバーアーマー
  3. 車体側面の雑具箱
  4. 起動輪のキャタピラ脱離防止のディスク

製作に参考にしたのは、ネット上で探した数点の写真です。洋書を含め、出版物でこの車両を確認することができませんでした。まして図面等も無く、車両が車両だけに今後、そういった資料が明らかになっていくことは無いのではないかと思われます。そのため、寸法等、あまり正確ではないところもあるので、ご了承ください。IDFのことなので、数年後にはまったく変った形態になってしまっているかもしれないし、いずれにせよ現時点での正確な情報を得るのは困難でしょう。

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1 車体周囲のバーアーマー

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車体周囲に張り巡らされたバーアーマーですが、エッチングパーツなどは今のところ出ていないので、自作ということになります。プラスティックの材料では強度が不安なので、真鍮を選びました。また瞬間接着剤では衝撃に弱いのでハンダ付けを行いバーの固定を行いました。

真鍮の加工にはリューターを用いて写真に示す各種バーを使用します。左側よりスチールのラウンドバーは穴あけに用います。中央はカーボランダムポイントで切り出した真鍮の粗研磨や整形に用います。右側のカーバイドバーはプラ板の整形に用いました。
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横バーは0.5ミリ線、縦支柱は1.5×0.3ミリの帯板を用いています。ともに鉄道模型店で入手しました。左写真に側面のバーアーマーを示します。基本的には横バーは3ミリ間隔としました。左側よりA、B、C、Dとします。図の数値は縦支柱の間隔を示します。
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写真右)Dは車体後部、Eは車体前部のバーアーマーを示します。D、Eは1.5×1.5のアングル材を用いています。   
各図の数値は私が写真より割り出したものですが、おおよその目安くらいに考えてください。イメージが異なることがあるので、一度画用紙などで、試作品を作りキットの上であわせてみることをお勧めします。寸法が決まったら実際の手順を書きに示します。

(1) バーアーマーの穴あけ
横バーを切り出したら、縦支柱にラウンドバーを用いて3ミリ間隔で穴を開けていきます。ラウンドバーはスチールでできているので必ず低速回転で切削します。高回転だとバーが焼けてしまい削れなくなってしまうからです。それぞれ穴を開けたのちハンダ付けを行います。

(2) バーの固定
たくさんの半田付け箇所があるので、木の板を用いて原寸どおりのガイドを製作します。半田を流したとき位置が狂わないためです。

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