i-modellers 創刊号 Diana ブロンコ 1/35

　荷台に載せると砲身以外はほとんど見えなくなってしまうのが残念ですが、防盾も薄く仕上げられていて好感が持てます。

　砲架は足を切除し、短くしなければなりません。このキットは基本的に全くの初心者向けとは言い難いところがあり、エッチングパーツでしかパーツが用意されていない箇所やこうした切除が必要な箇所は多少抵抗があるかもしれません、ただ、この部分はパーツに切り離す場所を示すモールドがあるので助かります。揺架の端部、完成後もみえる部分は接着線が出ないようなパーツ分割が考えられていて、こういうところも好印象です。

　砲の組み立てを終えたら一旦砲架、車輪から揺架より上の部分を外します。
このキットの最大の問題点（ちょっと大げさですが…）は後から7.62cm砲を載せることが出来ない、というところにあります。
　運転席から後ろに広く一枚板で作られた荷台部分に砲を載せるのですが、車輪部分はしっかりとした鉄板で輪留めがかかるように、さらに車輪をおおうように円弧状に板が設置されているのです(エッチングパーツで再現されています）。
むろん実車でもこうしてしっかりと砲を固定しないと発砲できません（反動がある）ので、さもありなん、なのですが、塗装前に組んでしまうと塗装が出来ない箇所（砲架や車輪まわり、床付近）が生じます。
　荷台を取り巻く装甲板4枚も後で取り外せるようなパーツ構成ではありませんで、各板の接着はほぼ芋付けとなります。
　AFVのプラモデルではほぼすべての組み立てを終えてから塗装作業を行うのが一般的でそれになれちゃっていますので、嫌なのですが(笑)、仕方ありませんネ、塗装しながら組むことにしましょう。

　シャシーに運転席部分を仮載せしてみます、エンジンなどは固定済みですが、ここも塗装を先に済ませ、エンジンフードを固定する必要がありますね。エンジンも良い出来ではないでしょうか、側面の板を外せば中を完成後も見られるように組めます。
　ちなみに側面の板のスリットは抜けています、これは珍しいです、このキット、細かなところで相当気合いが入っているのを感じられます、実はこういうところを見ながら組んでいくのも楽しいのですな…笑
　側面板のスリットが抜けている状態。(写真中央)エンジンが見える、ことよりもこのスリットが抜けているんだよ、ということを主張したいので(笑)、このパーツは外さずに、エンジンには隠れていただくことにします。
　車体前面のラジエターカバー部分もきれいに抜けています、いやいやいやうれしいですネ。(写真右)

　エンジン回り、運転席の計器盤付近からバルクヘッドにかけてのパーツはこうしたソフトスキンのキットでは合いの良くないキットがめずらしくありませんが、かっちりと組みあがります。
　唯一、運転席の前面窓の下からボンネットフードにつながる部分のパーツだけが合いがいまひとつでしたので、パテを少し使いました。
また、前面窓は通常のガラスのパーツに加えてカバーをかけた状態のパーツが含まれており選択できます。
　これもこうしたパーツが入っていること自体は珍しくはありませんが、モールドなどが良い感じでしたので、ガラス窓に代えて、カバー付きの方を選んでみます。
ただ、このパーツの取り付け部分を誤って切除してしまったようで、取り付けには真鍮線を植えて、また若干厚いせいか、ボンネットフードとの位置関係で収まりが悪かった部分をやすって工作を加えています。



よく考えられているキットですが、残念なのはメーターの表現がないこと。ABCべダルも無線機までもがパーツとしてあるのに、メーターは何のモールドも(デカールも)ありませんで、これは塗装の時にひと手間加えてあげたいところです。