もう一人のタイガーエース
タイガー1中期型 オットーカリウス搭乗車 タミヤ 1/35
次にデカールを貼ります。
コーティングした凹凸面には、デカール軟化剤は必需品です(Figure.145)。私はこの2種類を使いますが、どちらにもわずかに台所洗剤を混ぜてあります。
これによって軟化剤がデカール表面で水玉にならずにベッタリとまとわりつくので、より効果的です(Figure.146)。しばらくおいたら筆の先で押さえて凹凸にしっかり馴染ませます。
また、塗装面がつや消し仕上げでザラザラしていると、デカールとの間に空気の層ができてデカールの余白部分が白く光ってしまいます。もしこうなったら、乾燥後にデザインナイフや針で突いて穴をたくさん開け、薄めたエナメル塗料のクリヤーを流し込めばほぼリカバリーできます。
これで終了です(Figure.147)。デカールが乾くまでまた1日ほど置いておき、その後保護のためにクリヤーを吹いておきます。
≪STEP.9~仕上げ塗装≫
私の場合、仕上げ塗装は次の4行程で行います。
(1)スミ入れ (2)フィルター塗装 (3)チッピング (4)汚し塗装
ここで「あれ、ウォッシングはしないの?」と思われたかたもきっといらっしゃるでしょう。ウォッシングは行いますが、これについては後述します。
(1)スミ入れ
以前はフィルター塗装(フィルタリングのことです)の後にしていたのですが、最近は逆にするようになりました。使う塗料はタミヤ・エナメル塗料です。MIGプロダクションからそのものズバリの「ウォッシュシリーズ」というスミ入れ専用塗料も出ていますが、ここではあえて使いません。
使うのはこの4色です(Figure.148)。「基本色がサンド系の場合はこげ茶色を使う」とよく紹介されていますが、茶色が強いとサビのように見えてしまいますので、もっとグレイに振るほうが自然に見えます。
4色をまずは同量ずつ混ぜ、XF1とXF52で色の濃さを加減します(Figure.149)。色味が決まったら溶剤で希釈します。少し濃い目ぐらいでいいでしょう。
筆でディテールへ流していきます(Figure.150)。多少のはみ出しは気にしません。結構きついと感じるかもしれませんが、私の場合はこれぐらいしっかり色を着けてメリハリを出します。後からフィルター塗装によって面に色味が加わるためです。
半乾きになったら、はみ出た部分を拭き取ります。綿棒ではなく、筆に溶剤を軽く含ませて、線を細くシャープにするように丁寧に拭います(Figure.151・左が拭き取り後)。なお、スミ入れにはライナーと呼ばれる毛足の長い線引き用の筆や穂先がよく揃って含みの良い筆を使うと効率的です。
拭き取りがすべて終わった状態です(Figure.152)。もっと濃くてもよかったぐらいです。
塗る時は1時間ほどで終わりますが、拭き取りには根気が必要で丸1日はかかります。