もう一人のタイガーエース
タイガー1中期型 オットーカリウス搭乗車 タミヤ 1/35
前部機銃は銃口が開いておらず、ただの棒のようです。細かいところですが、この銃口を再現すると大変精密感が高まります。まずはパーティングラインをヤスリで消しておきます。その際、先端を丸めてしまわないよう慎重に(Figure.19)。
穴はピンバイスで開けます。中心にケガキ針やキリ等で案内の目打ちをしてからドリル刃で穴を開けます。まずは0.3ミリ径くらいの刃を使い、徐々に大きい刃に換えて広げていきます。ただし、穴が大きくなってきたらフチを突き破らないよう浅く彫ります。0.5ミリくらいまで広げ、最後はデザインナイフでフチの厚みが揃うように削ってやるとよいでしょう。あらかじめ先端をマジックで塗っておくと、フチがどれだけ残っているかが見えるのでやりやすくなります(Figure.20)。
機銃は可動しますが、私はこの状態で接着剤を流して固定してしまいます(Figure.21).
天板のエンジングリルから車体内側が筒抜けです。今回の作例のようにエッチングのメッシュを使うとほとんど見えなくなりますが、そうでない場合は天板を接着する前に内側を暗い色で塗っておくとよいでしょう(Figure.22)。
今回はクレオスの「マホガニー」を塗ってみました。きれいに塗る必要はないので、筆塗りでじゅうぶんです。
前部フェンダーは分割式で、外側のパネルが跳ね上がるようになっています。
キットのままではこの隙間が表現されておらず一体のように見えますので、軽く切れ込みを入れてやります(Figure.24)。
最後に天板を接着します。接着には流し込み接着剤を使います。隙間が開かないように、接着剤が乾くまでテープ等で締めて固定します(Figure.25)。
正面装甲板と側面の間に隙間ができますので、パテで埋めておきます。
車体の組み立てはここまでで止めておきます。エンジンハッチ等、コーティングの邪魔にならない部品は任意で取り付けておいても構いません。
STEP.3~砲塔の組み立て
車体と同様に、砲塔もツィンメリット・コーティングができる状態まで組み立てます。
砲塔は内部まで再現されていますが、完成後はほとんど見えなくなってしまいますので、それほど神経質になる必要はありません。説明図に従って組んでいけば特に問題もなく出来上がるでしょう。車体編で説明したような、パーツのカドにあるパーティングラインやテーパー形状の修正だけ丁寧に行うと、見栄えの良い作品になります。
コーティングの段取り上、写真の青丸で囲んだC1とC14だけは接着しますが、C6には接着しないでおきます。また、赤で×をつけた部品(イス、ハッチ)もこの段階では接着しません。